ぴっから植物園

植物を育てる上で役に立たない情報を発信しています

【当日編】植物イベント出店者マニュアル(後編)v1

前回の続きになります。

 

会場への搬入と設営

植物を運ぶ準備ができたら、いよいよ会場へ向かいます。

タネマキビトノ狂宴を開催する会場は、明石市民会館アワーズホール〒673-0883 兵庫県明石市中崎1丁目3-1)会議室を使用します。

中ホールや大ホールは別の団体様が使われますので、お間違いないよう気を付けください。

 

お車で来られる出店者は、あらかじめ、主催者に駐車場の場所を確認するようにしてください。

交通渋滞等のあらゆるトラブルを想定して、早くても1時間前、遅くとも30分前には会場に到着できるようにしておくことをおすすめします。

タネマキビトノ狂宴の会場入口。
入口は車を付けることができるかどうかも、会場選びのポイントの1つ

ちなみに、イベント当日のタイムスケジュールはこんな感じです。

 

お客さんのタイムスケジュール

  • 11:00~12:00 先行入場(3/15の20時からPeatixにて500円でチケットを販売)
  • 12:00~17:00 一般入場(入場無料)
  • 17:00~18:00 CHILL TIME(入場無料 / 17:30最終入場)

※ CHILL TIME は、出店者さんにもお買い物や交流や植物の交換など...

お客さんも一緒になってゆるゆるの空気感を楽しんで欲しい、といった思いから生まれました。この時間は、出店者さんによっては販売をやめて片付けられる方もいます。

過ごし方は人それぞれ、自由な時間です。

 

運営サイド、出店者サイドのタイムスケジュール

  • 09:00~10:50 運営、設営準備
  • 09:30~10:50 出店者、搬入・設営準備
  • 11:00~12:00 先行入場のお客さん入場
  • 12:00~17:00 一般入場のお客さん入場
  • 17:00~18:00 CHILL TIME(17:30最終入場)
  • 18:00~19:00 片付け、撤収

 

出店者のみなさんは、9:30~10:50の間に搬入・設営準備をして頂くことになります。

 

会場を使用する上での注意点

会場はお借りしているものです。会場からの貸出品(机や椅子)や常設している機材を損壊した場合は必ず主催者に申告してください。

植物を持ち込みますので、会場内に土をこぼさないように、搬入時と搬出時は特に注意してください。また、汚れた靴等での入館を避けてください。

床を汚してしまった場合は、持参した掃除道具で綺麗にするか、会場内のスタッフにお声かけください。

ごみを捨てる場所はありませんので、必ず出店者はごみを持ち帰ってください。

 

タネマキビトノ狂宴 会場レイアウト図

ご自身のブースがどこにあるか、レイアウト図を見て、時間になったら搬入を始めてください。

机にはそれぞれのブース名が書かれた用紙が机に貼られていますので、目印にしてください。

タネマキビトノ狂宴で使用する長机のサイズは 奥行600mm × 横1800mm と一般的なものになります。

小ブースで申請されている出店者は、こちらの長机を2台、L字に組んだものを。

大ブースで申請されている出店者は、長机を3台、コの字に組んだものをブースとして用意しています。

 

イベントで使用する長机と椅子は、アワーズホールからの貸出品となりますので、汚したり傷つけないように注意してください。

テープ等を使用する際は、痕が残らないマスキングテープや養生テープを使用するようにしてください。

実際にイベントで使用する机

とはいえ、一日使用していると、どうしても汚れてしまうものですから

会場内の机を土等で汚さないように、各出店者がそれぞれビニールカバーや布等を用意し、搬入時に敷いてご使用ください。

 

出店者様の什器の持ち込みは、ブース内に収まるようでしたらOKです。

机や椅子を使用しない際は、主催者に事前にお知らせください。

 

売り場の一工夫

フリマや手作り市、色んな植物イベントへ行っても、見栄えのするブースとそうでないブースでは客足は変わってきます。

もちろん出店者の知名度や販売する物品によって違いますが、どうせイベント出店するなら色んな人に見てもらいたいですよね。

手を加えなければ味気のない殺風景な事務机でも、ちょっとした一工夫で見栄えのするブースとなり、人は立ち止まって見てくれるものです。

 

例えば、お店の名前やロゴがブースの正面に大きく書いてあると

「ここは〇〇さんのブースなんだな」「〇〇っていうお店なんだな」ということが分かりやすいですし、お客さんが目的のブースへ行きやすくなります。

雑貨店や園芸店に行くと売り場の工夫が見てとれる(LOFT梅田店)

机という平面の空間をうまく使うポイントとして、売り場に立体感があると見てて楽しいです。

植物だけのブースだと、平面にザーっと鉢を並べてあるのが一般的ですが、あえて高低差を作ってそこにポンと植物を置く、といった見せ方もできます。

木箱やアクリルボックスを使うと高さが出しやすい。

100円ショップにいくとディスプレイに使えそうなグッズがたくさんありますが、そういったものをあまり使いすぎても売り場が安っぽく見えることがあるので注意が必要です。

あとは、背面にパネルを作って目に留まりやすいアイキャッチを作ると売り場が一段と華やかになります。

画材屋には画用紙が1枚単位で購入できる。POPに使用しても〇

とまぁセンスのない素人が勝手なことを言っておりますが、売り場のどうのこうのは出店者さんのセンスにお任せします!

 

ただ、ムスっとしててずっとスマホいじってるような人のいるブースへは、個人的には行きたくないです。

お客さんは楽しみにきているんですから、出店者もみんなで楽しんでほしいです。

 

あと、隣近所の出店者さんとは、積極的に挨拶やコミュニケーションはとったほうがよいです。

なにかあったときには心強い味方になります。

 

梱包について

お客さんに植物を購入して貰ったあと、お渡しする際の梱包についてです。

販売する植物の鉢のサイズによって異なるため、あらかじめ梱包のシミュレーションをしておくと当日バタバタせずに済みます。

梱包は、クッション材、新聞紙や段ボール等を使うとよい。

人によっては、ティッシュやキッチンペーパーで土こぼれを防ぐ人も。

どこまでやるかはお客さんの混み具合や、人手に余裕があるかどうかで決めてください。

 

新聞紙を鉢の大きさに合わせて数種類あらかじめ用意しておく。

そのままサイズ(5寸~6寸)

半分サイズ(3寸~4寸)

1/8サイズ(2寸~2.5寸)

どの大きさも 3~4つ折しておくと、くるっと巻けて便利

サボテンなどのトゲモノは特に新聞紙を厚めに巻くと破けにくい

くるっと鉢を巻いたら、袋に入れて鉢に合わせてテープで留めると持ちやすい(輪ゴムもあると便利)

底に段ボールを入れるとより安定感が増す

段ボールを切ったものを数種類用意しておく。袋の底に敷くと、鉢が安定しやすく転倒防止にもなる。複数株を梱包する際も便利。

必要なものをチェックリストにいれよう

ビニール袋、マスキングテープ、セロテープ、輪ゴム、新聞紙、ティッシュ、キッチンペーパー、ガムテープ、はさみ等々。あると便利です。

伸縮するシュリンクフィルムがあると土留めに便利

初心者の方向けに、販売株の育て方や管理方法を印刷した紙を、植物と一緒に袋に入れたり、ショップカードを配布するなどの一工夫をされている方もいらっしゃいます。

 

自分が販売する植物のサイズ・形状を頭に入れ、実際に店頭に立った時に、どういった梱包にすべきか事前にしっかり考えることが大切です。

梱包があまりに丁寧だと、梱包待ちの状態で詰まってしまい、お客さんをお待たせてしまうことに繋がります。

うちのイベントでは、こういった出店者の負担を軽減するために、

簡単なセルフ梱包ブースを会場外の廊下に用意しています。

 

会場マップ。会場Bの出口を出てすぐにセルフ梱包ブースを用意しています

わずかではありますが、ガムテープや段ボール、クッション材も用意しているので、梱包はお客さんにお任せして、最低限、土こぼれに配慮して袋に入れるだけに留めるか、出品者が用意しているトレイをお貸しし、セルフ梱包ブースへと誘導するといった方法も取れます。

トレイは返却してもらう必要がありますが、待ち時間がなくなり、スムーズにお買い物を楽しんでいただけます。

ぼくもまだまだ試行錯誤の段階なので、これがベストな方法かはわかりませんが。

 

持ち物リスト

ここまでお疲れ様でした。最後に、持ち物リストを作りましょう。

慣れていない出店者は、プリントアウトしたものかスマホに入れておきましょう。

何が必要かは人それぞれですので、あくまで一例を。

 

  • お釣り用の小銭、紙幣
  • 机の汚れ防止シート
  • 名刺
  • ショップカード
  • 筆記用具(メモ帳、ボールペン、マジック、はさみ等)
  • 電卓
  • お釣り用トレイ
  • ディスプレイ小物
  • ティッシュペーパー
  • キッチンペーパー
  • 梱包用緩衝材
  • ガムテープ
  • セロテープ
  • マスキングテープ
  • 養生テープ
  • 輪ゴム
  • シュリンクフィルム
  • 新聞紙、段ボール
  • ビニール袋(お客さん持ち帰り用)
  • ごみ袋
  • ほうき、ちりとり
  • 値札予備
  • モバイルバッテリー

 

長くなりましたが、以上になります。

笑顔のあふれる、たのしい会になったらいいなぁとおもいます。

 

また加筆・修正すると思います。

ぴっから

【事前準備編】植物イベント出店者マニュアル(前編)v1

今回は『植物イベント出店者マニュアル』と題して記事を書くことにしました。

本来は、ぼくが主催の植物イベント【タネマキビトノ狂宴】に出店する方向けの、クローズドな内容ではあるのですが、自分自身の頭の整理のためにも残すことにしました。

 

「植物イベントにブースを出さないか誘われたけど、何を準備しなければいけないか分からない」といった、出品者ビギナーさん向けの簡易的なマニュアルとして公開することにしました。

同じような境遇の方々の役に立ってくれたら嬉しいです。

 

ただし、これはあくまでうちのイベントに照らし合わせた、

タネマキビトノ狂宴の植物イベントビギナー出店者さん向け手引き ですので、

一般のお客さん向けの告知ではないことを最初にお断りしておきます。

また、この記事を参考に他所のイベントで実践される方は、全て自己責任でお願いします。あくまで参考程度にしてください。

 

世は植物イベント戦国時代

最近では全国各地でシーズン関係なく、植物のイベントが開催されていますが、一昔前までは趣味家同士の会合というのは限られたコミュニティ内で行われるイメージでした(あくまでイメージです)

それがSNSが爆発的に普及するにつれ、SNSで仲良くなった趣味家同士が植物イベントを開催する、といったことが多く見受けられるようになってきました。その規模も大小様々です。

タネマキビトノ狂宴 2024年5月18日土曜明石市民会館アワーズホールにて開催

ぼくが主催しているタネマキビトノ狂宴というイベントも

国内ビッグ植物イベントの天下一植物界さんと日程ダダ被りしてますからね!

天下一植物界さんの開催場所は、JR神戸駅が最寄り駅。

タネマキビトノ狂宴は、最寄り駅がJR明石駅と電車で1駅の近い距離なので

5月18日土曜はイベントはしごして頂いて、ガッツリ楽しんで欲しいとおもいます!

 

植物イベント出店者は何を準備すべきか?

普段生活していて、メルカリやヤフオクで植物を販売する方はいても、実際にお客さんに対面で植物を販売したことがある方は少数ではないでしょうか。

ここでは、初めて植物イベントに出店者として参加する方向けに、何を準備したらいいのか?何を持っていったらいいのか?等を解説していきたいと思います。

 

先日、フォロワーさんに向けてこんなポストをしました。

初めての植物イベントへの出店。

もちろん植物は用意するけど、販売するにあたって何を考えなければいけないのか。

ある程度のマニュアルがないと、初めて出店する人は何から手をつけていいのか困惑しますよね。

植物の準備

まずこれがなくては話になりません。特に実生株にこだわる必要はありませんが、

育成者権(種苗法)や商標、特許等、他者の権利を侵害しないよう充分に注意してください。

 

農林水産省品種登録ホームページ

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/hinshu/

栽培や展示が制限されている植物のお持ち込みはお断りしてます。

 

植物は生き物なので、慌てて準備してもどうにもなりません。販売株は事前準備が最も大切です。

事前準備を怠ると、せっかく購入して家に持って帰っても、虫がいたり病気になっている株があると途端にげんなりしますよね。

病害虫を持ち込ませるリスクがあるということも念頭に置いて、万全の状態でお渡ししましょう。

 

・根が伸びる期間を考えて、早めに株分けや植替えをしておく。

 根が活着していないと輸送途中に抜けやすくなったり、植物が本調子でなかったりします。

・土の中に虫やナメクジ等がいないか注意しておく。

 土の中にいる虫だけでなく、ハダニ、カイガラムシ等の害虫が付いていないか、こまめにチェックしておきましょう。

・鉢内の雑草はできるだけ抜いておく。

・持っていく1-3日前には潅水して、水が垂れないようにしておく。

 会場で机や床を濡らさない意味もありますが、植物を輸送する際に車の振動で浮き上がるのを防ぐといった意味もあります。

・乾燥に強い植物は、土を乾かして移動する。

・乾燥に弱いジメジメ系の植物は、透明なカップやジッパー袋、ネギ袋等を利用して保湿してやるとよい。

 

値段のつけ方について

値付けの方法は、例えば種から育てた植物なら、種の値段、希少性、育成にかかった期間、資材代、光熱費、人件費等もあるので、ここでは一概にどうこうお話できません。

市場で出回っている価格を参考にする方法もありますが、

個人的には「自分はこの値段で売りたい!」でいいかと思います。

 

お釣りの用意について

先ほど値段のつけ方は自由にどうぞ、と言ったばかりですが、お釣りの用意のことを考えると、10円単位、1円単位で値付けをするとお釣りの準備が非常に邪魔臭いです。

500円単位、せめて100円単位で値付けするのがオススメです。

100円均一で売っているコインケースを使うと便利

ブースの規模と価格設定によりますが、小さなブースだと、

最低1000円札を20枚、500円玉を10枚、100円玉を50枚は用意したほうがいいでしょう。

最初の10人がこなせれば、あとはお釣りでなんとか回せるイメージです。

途中で急遽用意しなければならないことを考えると、現金はたくさんあるに越したことはありません。

あとはご自身のブースの規模によって変わってきます。

また、現金手渡しでもいいですが、お金を置くトレイがあるとお会計を非接触で済ませることができます。

値札、タグについて

値札は、値札シールを鉢や植物のラベルに貼ってもよいですし、

鉢に挿すラベルの色を値段ごとに変えたり、分かりやすいシールを植物のラベルに貼っておいて、赤色なら1000円、銀色なら1500円、金色なら2,000円といった感じで、別途料金表を作ってお客さんに見える位置に置いておくといった方法もあります。

出品者サイドで管理するためのラベルを別途挿しておいて、売れたらそのラベルを引き抜いてご自身で管理しておくと、より間違いが少なくなると思います。

お客さん向けのタグと管理用タグの一例

決済方法について

事業所登録をしていないのであれば、現金一択でいいかと思います。

PayPayの個人間送金は一見気軽に思えますが、商用利用で物品を売買した際の個人間送金は規約違反なので注意が必要です。

他のサービスでも商用利用での個人間送金は規約違反となっている会社が多いようです。この辺りは自己責任でお願いします。

 

自宅から会場までの植物の運び方

ここでは出店者の自宅から会場まで、車で植物を運ぶ方法について解説していきます。

車で植物を運ぶ際に特に気をつけなければならないのは、揺れと振動による、植物の転倒、損傷です。

対策を怠ると、せっかく育てた植物が痛んでしまったり、鉢からすっぽり抜けて車内を砂利だらけにして汚してしまいます。

最悪会場で手直し...なんてことになったら、どうしても開場までに間に合いません。

かといって道路をトロトロ走って危険運転をするわけにもいきませんから、車に入れる際には入念に準備しておきましょう。

20穴のトレー。持っていく植物の鉢サイズにあったものを用意しよう

植物の運搬方法の一例として、穴のあいた手持ちの植物トレーに植物を入れて運ぶ方法があります。

心配な方は、土の上からティッシュや新聞紙等で土留めをしておくとよいでしょう。

 

トレーに入れても隙が空いてグラグラするようであれば、新聞紙やクッション材を詰めて動かないように固定します。

トレーに入らない大きなサイズのものは、普段荷物を送るような感じで、段ボールに入れてしっかり固定して梱包しましょう。

背の高いものは、足元をガチガチに新聞紙等を詰めて絶対に跳ねないように固定し、地上部も動かないように支柱を立てたりします。

最初から倒して運んだほうがいい場合もあります。

メッシュのコンテナにトレーを入れて、車の中で積み上げることもできる

あとは、トレーのサイズに合ったコンテナ等に入れて、車内で積み上げることもできます。衣装ケース等を使用してもいいです。

衣装ケースを使って植物を運搬する方法も

コンテナの中でも動かないように、トレイの上から新聞紙等の緩衝材をかけます。

 

長くなりそうなので、続きは

【当日編】植物イベント出店者マニュアル(後半)でご紹介します。

後日加筆・修正するかもしれません。

 

ぴっから

蛍光オレンジの魅力! Chlorophytum filipendulum subsp. amaniense オリヅルラン・ファイヤーフラッシュの育て方と黒斑の原因と対処方法

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オリヅルラン・ファイヤーフラッシュという品種を知っていますか?

以前、草友達である、まさおじさんの動画でもご紹介頂いて、大変反響を頂けたのですが、アレですw 

 

ぼくはコレを種子から購入したのですが、購入時の学名は、Chlorophytum filipendulum subsp. amanienseでした。

 

科属: キジカクシ科オリヅルラン
学名: Chlorophytum filipendulum subsp. amaniense
別名: Orange Mandarin Spider Plant, Orange Spider Plant, Fireflash

 

現在日本の市場では殆ど流通していません。園芸店等で見ることもまずないでしょう。

ヨーロッパではわりと人気の品種のようです。

 

www.youtube.com

 

何年も前に国内で「パリソタの朱鷺」や「Palisota 'westlandia'」という名前で出回っていたようです。

ただし、これは誤名であり、Palisotaとは似て非なるものですので。取り扱いをしている園芸店や生産者は誤名であることを認識して、正式な学名を使用してほしいものです。あり、

調べてみると別名異名がやたら多く、Chlorophytum amanienseや 前述したパリソタ、Fireflash、Orange Mandarin Spider Plant, Orange Spider Plantなどと呼ばれています。

非常にややこしいのでそれらを総称して、ぼくは、オリヅルラン・ファイヤーフラッシュと呼ぶことにしています。

 

オリヅルラン・ファイヤーフラッシュは、キジカクシ科オリヅルラン属の常緑多年草で、熱帯アフリカおよび南部地域が原産とされています。

1990年代に北米に持ち込まれ、ヨーロッパではとても人気のある品種です。

 

その魅力は、何と言っても、そのトロピカルな見た目ですよね!

 

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ベラボンメインで日向大粒、赤玉大粒、マグアンプ大粒を混ぜ込んだ用土を使用。常に軽く湿った状態を維持するにはメッシュポットとこの用土の組み合わせが一番良い気がしてる。

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我が家では成長期には、屋外の風通しの良い明るい日陰に置いて午前中の2-3時間程度、日光に当てることで綺麗な葉色を維持することができた。病害虫予防に葉水もしっかりと。

茎と葉の静脈まで明るい蛍光オレンジ色で、それ以外は濃い緑色をしています。

 

日本では春から初夏にかけて、3~8月が成長期で、20-25℃前後、間接的な中程度~明るい日光を好みます。光が弱すぎると成長は遅くなり、オレンジの色素が薄くなり、逆に光が強すぎると葉焼けしてしまいます。


水はけの良い用土に植え、成長期は用土が乾いてきたらたっぷり水をやり、常に軽く湿った状態を保ちます。毎日葉水をしてやると、葉っぱの色ツヤが良くなり、病害虫対策にもなります。


用土が乾かない状態が続くと、根腐れ気味になって葉先から黒く枯れていくことがあります。

その場合は、使っている用土を見直すか、ある程度、乾湿を意識したメリハリのある水やりをして下さい。
秋になり、肌寒くなってくる頃には室内へ入れるのが良いのかなぁと。

オリヅルランとはいえ、元々暖かい土地の植物なので、寒さには気を付けたほうが良さそうです。

 

◆黒斑の発生、その原因と対策

10月中旬から11月初旬にかけて、抜き苗もしくは鉢付きの状態で、Twitterで仲良くさせて頂いているフォロワーさんやお友達、Twitterの草フリマなどで30株程を複数の方にお譲りしました。
その中の何人かの方々から、葉や茎に黒斑が出てきている、とご連絡がありました。

 

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茎や葉に現れた黒斑。徐々に葉全体に広がっていき、葉を枯らしていった。


実際、うちでも同様の症状が出ている株が散見されたので、現在の株の写真と各種データを集めて、分析することにしました。

ただし、あくまでこれは推定であり、実証実験を行った訳ではありませんので
確証はなく、お遊びレベルのものになります。

集めたデータは以下の通りです。

 

到着日:
到着時の状態(抜き苗か、鉢付きか):
植替えはしたか、いつしたか:
使用している用土(肥料の有無):
現在の株の状態(黒斑の有無など):
置き場(日当たり等):
水やりの頻度:
日中の平均気温:
夜間の平均気温:

 

詳しい分析方法などの説明は省きますが、

 

まず、病害虫ではないようです。
顕微鏡で黒斑をみましたが、カビでもありませんでした。
なので、他の株にうつるようなことは無いので、ご心配なく。

 

株に黒斑が出た人に共通している点は、

 

・植え替えをした

・強光に当てた(積極的に光に当てた)

・夜間温度が低い

 この3点でした。

 

この3点が当てはまる株は、黒斑の条件に当たるだろう、ということが分かりました。


まとめると・・・

 

主な原因は、植え替え時にかかったストレス。
根が弱ってる状態の時に、寒さや積極的に光に当てると黒斑がでる傾向にある。
植え替えしてない人は5℃、植え替えされた方は最低10℃は維持した方が良さそう。


熱帯植物なので、暖かいに越したことはありません。

黒斑が葉の半分以上ある葉は、気になるようなら落としても問題ないと思います(いずれパリパリになって枯れます)

 

黒斑が現れた場合の対処法は、

暫くは、暖かい日陰に置くこと。表土が乾いてきたら水をやる。葉水はしない。

根が落ち着いてきたら黒斑も出なくなると思います。

 

追記(2022年2月22日)

 

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ファイヤーフラッシュいいよ。。

はよこの状態に戻したい、、

 

今回は結構真面目記事。データをくださったフォロワーさん各位、そして貴重なアドバイスを頂いたカッコーさんに感謝を。ありがとうございました。

今後も何か進展があれば報告します。

では。

みんな植物どこで買ってる?急増する植物通販詐欺から身を守るために僕らがすべきこと

みなさんはどこで植物買ってますか?

 

最近はネットでなんでも買える時代、とはいえ植物は日本国内のみならず、コロナの巣ごもり需要も相まってか、植物は世界的にもブームですから

成株は勿論のこと、植物の種子でさえ、希少かつ人気の品種であれば、あっという間に売り切れてしまいます。

 

このことから「通販だから手に入る」時代は終わったとさえ言えます。

一昔前までは「欲しいものはネットで手に入る」とすら言われていたのにね。

 

実生ラー(みしょらー)のぼくも、夜な夜な国内外の種子販売サイトを巡回しネットの海を彷徨っています。

とはいえ、そもそも植物の種子を販売してる通販サイトがそこまで多くないんですよね。

安いもので言えば、10粒20粒で300円程度。業者は量仕入れて量売ってナンボですし、あまり儲かる分野ではないのかもしれません。もちろん希少な品種であれば、3粒で数千円する、なんてのは珍しくないです。

 

よっぽど欲しければ買うかもしれませんが、ぼくなら、欲しい種子があれば海外の種子販売サイトから欲しい種子を探し出して購入するか、個人間取引のメルカリ、ヤフオクなんかをチェックします。

 

ただし最近はメルカリでも詐欺まがいのあくどい商売されている出品者がいるので注意しましょう。

こちらの画像はTwitterの多肉界隈で度々話題にあがっている、メルカリの出品者が多用している商品画像です。

「韓国苗」とか「多肉植物」を検索した時にだいたい出てきますね。

 

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怪しい日本語、同じ画像を使った出品者がいたら迷わずブロックすべし(メルカリより)

 

とても綺麗なセットで3,000円程ですが、実際に購入した方のレビューを見ていると、似ても似つかない状態の悪い抜き苗が送られてくるそうです。

たとえ高評価が付いていても、この画像が使われている出品者は十中八九詐欺ですので、そっ閉じをオススメします。

 

同様の画像を使っている出品者がいますが、おそらく同一の業者で、悪い評価が付くとすぐにアカウントを削除して新しいアカウントを作り直しています。

かなり売れ行き好調なようなので、メルカリが何らかの対策を講じない限り、いたちごっこはしばらく続きそうです。

 

何でもそうですが、販売者を100%信用しないこと、植物の知識がなければインターネットを活用して情報収集することは欠かせません。

この出品者に限らず、最近では人気のアガベを品種を偽って出品したり、親株画像をどこからか入手して子株を販売してる出品者もいるので十分注意しましょう。

 

さて、今回の記事では、そんな一大植物ブームの影で横行する植物詐欺について、

ぼくなりの怪しい海外の詐欺通販サイトの見分け方をご紹介します。

 

ただしぼくはインターネットの専門家でも植物の専門家でもありませんから、このやり方が100%正しいわけでもないので、あくまで参考程度に。

なにがあっても責任は取りませんので、自己責任でお願いしますね。

 

一つずつ、例を挙げて説明しましょう。

こちらは、「africa-seed.com」という海外の種子通販サイトです。

(africa-seed.comに関してはリンクは貼りませんのでよろしくお願いします)

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africa-seed.comのトップ画面(africa-seed.comより)

人気の塊根植物やサボテン、花の種子を販売してるようですね。株自体も販売してるみたいです。

こちらのサイトは多言語対応しているようで、日本語にも対応してるようです。

非常に親切なサイトですね(ニチャア....)

 

せっかくなら、欲しい種子、今回は Dorstenia gigas でも探しましょうかね。

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africa-seed.comの Dorstenia gigasの種子商品ページ(africa-seed.comより)

お、売ってる売ってる。5粒で39ドルか。まぁちょっと高いですがこんなもんですかね。しかもセール期間中で半値?在庫あるし他に売ってないしこれは買いじゃね?

 

と思ったそこのあなた!

ちょっと待ってください。なんか、怪しいと思いません?

 

詐欺通販サイトって、共通してるポイントが幾つかあるんですけど

 

それは、

1.極端な値引きをしている(常にセールをしている)

2.在庫切れの表記が一切ない

3.右クリック対策をしている

 

なんです。

 

まず一つ目の 1.極端な値引きをしている(常にセールをしている)ですが、

ちょっと高いけど「今値引きしてるんだったら買おうかなー」っていうのは消費者意識をくすぐられますから。

常にセールをしてるってのも怪しいです。大阪の婦人服屋かよ

これまで、多くの詐欺通販サイトを見てきましたが、大体いつもセールしてるか、メチャンコ安いんです。

 

あまたの通販サイトを見てきた植物好きの方なら分かると思いますが、

ちゃんとした植物通販サイトだったら、そもそも常時セールで割引なんかしてないんですよ。

ちゃんとした価格で売ってるんです。それで売れるから。たまにセールはやるかもしれませんが、人気の品種が常にセールやってて、しかも在庫なしが一つもない(笑)

 

そう、2つめのポイント。2.在庫切れの表記が一切ない ってのも気になるポイントの一つですね。

詐欺通販サイトはそもそも在庫を抱えていませんが、売れるものをあえて「在庫切れ」と表記する必要がないはずなんです。だって、普段あまり売っていないものが売られてるほうが魅力的じゃないですか?

矛盾してることを言っているようですが、だからこそ、怪しいんです。

「在庫切れ」もしくは「在庫なし」の表記が一切ないサイトだということも、一つの判断材料だと思います。

※ ただし、サイトによっては必ずしも「在庫なし」の表記があるとは限りませんのでこの点は注意して下さい。

 

そして最後、3つめのポイント。3.右クリック対策をしている ですが、

これはサイト内に使われている画像やソースを、閲覧している人にパクられないようにサイト運営者側している対策です。

詐欺通販サイトの多くはこの右クリック対策をしていることがあります。

 

なぜ画像を取得されたくないのか?それは、

そもそも、そのサイトで商品画像として使われている画像は、サイト運営者が撮影したものではないからです。

多くは他のサイトからパクってきた画像が使われています。

 

先ほどお見せしたDorstenia gigasの画像ですが、もう一度よく見てみましょう。

 

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はい。次に、この画像のソースはどこなのか、どこからパクってきたものなのか調べていきましょう。

通常ですと、画像を右クリックして保存ができますが、こちらのサイトでは右クリックができません。

右クリック禁止を解除する方法は、お使いのブラウザによって違ってきますが、今回は画面を「スクリーンショット」して、必要な部分をトリミングしてみます。

 

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するとこのような画像ができました。

次に、こちらの画像を「類似画像検索」にかけます。

画像検索というと一般的にはGoogle 画像検索が有名ですが、今回はGoogle以外にも、Bingやyandexなど複数の画像検索サービスを一度に利用できる、Small SE Toolsの類似画像検索サービスを使います。

 

使い方は簡単です。先ほどトリミングしたDorstenia gigasの画像をドラッグ&ドロップで所定の位置まで持っていきます。

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検索したい画像をアップロードして検索する(smallseotools.comより)

 

アップロードできたら「類似の画像を検索する」ボタンを押して検索結果を待ちます。

少し日本語が怪しいですが、左からGoogle、Bing、Yandexの「試合を表示」ボタンをクリックすると検索結果を閲覧することが出来ます。

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検索結果はGoogle、Bing、Yandexにアクセスしてみることが出来る(smallseotools.com)

 

Googleの検索結果に満足がいかなくても、Bing、Yandexと順にみていけば、その画像のソースはどこなのかおおよそ把握することが出来ます。

 

BingとYandexの画像検索から、africa-seed.comが使っていたDorstenia gigasの画像は、Dave's Garden 由来だと特定することができました。

davesgarden.com

 

こちらが該当の元画像になります。

 

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Dorstenia Species, Socotra Fig - Dorstenia gigas(Dave's Gardenより)

 

どこがどう違うのか、改めて両者の画像を比較してみましょう。

こちらが、africa-seed.comで使われているDorstenia gigasの画像です。

 

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africa-seed.comで使われているDorstenia gigasの画像(africa-seed.comより)

 

そしてこれが、Dave's Gardenで使われているDorstenia gigasの元画像です。

違いが分かりますか?

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Dave's Gardenで使われているDorstenia gigasの元画像(Dave's Gardenより)

Dave's Gardenではサイトで使用している画像には全て、画像の左上にcopyrightが記載してあります。

africa-seed.comはこの部分をトリミングし、copyrightの部分を削って見えないようにしています。加えて画像を反転加工もしていますから、疑いようのない確信犯ですね。

 

ちなみに、他の商品で使われている画像もインターネットで見つけた良さげな画像をパクって加工して使っていました。

 

このように、詐欺通販サイトかどうかを判断する方法は何通りかありますが、今のところ僕が一番使っているのは類似画像検索サービスを使った方法です。

 

あとは、会社の住所や電話番号から実在する会社かどうか調べたり、URL解析サービスを使って、おおよそのサーバーの位置やなんやを調べるって方法もあります。

www.aguse.jp

 

最近だとTwitterFacebook、海外勢が使っている植物情報交流サイトでその会社が詐欺サイトでないか、詐欺でなくともその会社の評判なんかを調べたりするようにしています。

 

あと、これは個人的につくづく思うのは、趣味で植物やってるのにTwitterやってないのは勿体ないと思いますね。

まぁSNSなので、時には嫌な思いをすることもあるかもしれませんが、付き合い方さえ間違えなければ、今の時代、植物の情報収集&情報交換にTwitterは欠かせないなぁと。

 

あとは単純に、自分の好きな植物のことを呟いて、誰かが反応してくれるのは面白いです。

 

あ、ぼくもTwitterやってます。

基本ネタツイか植物のこと、実生のこと、呟いてるだけですがw

よろしければ、フォローお願いします。

twitter.com

 

長くなりましたが、今日はこの辺で。

 

発芽しない種子をいつ諦める?戦国三大武将から見る実生のタイプ

種子を蒔いたはいいけど、発芽しなかったことってありませんか?

ぼくはあります。そりゃもう、何百、何千粒と。

 

実生を始めてから9か月程ですが、これまで実生にチャレンジした品種と、その播種日を全て記録しています。

それによると、現在50種類程の植物を実生し育てていますが、同時にその倍以上の数の実生にチャレンジし失敗に終わっています。

 

個人的には、目安は2週間から1か月。1か月過ぎても発芽しなければ環境を見直す。

貴重な種子なら、乾燥させてもう一度前処理をやり直すようにしています。

それでも、何度もカビたり種子が蒸れてジュクジュクになったりしたら諦めます。

 

安西先生が実生について大切なことを教えてくれてます。

 

 

「最後まで種を捨てちゃいかん」

「あきらめたらそこで実生終了だよ」

 

ええ、わかります。わかりますとも。

しかしながら植物の置き場所は有限です。

実生好き・植物好きの永遠の課題であり、共通の悩み。

それは 置き場所問題 に他なりません。

 

植物たちの置き場所をどう確保するか。置き場所を増やす、それが出来なければ、今ある植物を処分する、譲渡する、売るなど。方法は一つではありません。

 

当たり前のことですが、植物は成長します。品種によってその速度や大小は様々ですが、確実に種子の状態より大きくなっていきます。

そうなるといくら棚を作ろうとも、植物を減らそうとも、倍々ゲームで置き場を圧迫していきます。

どこかのタイミングで何かを諦めなければいけないタイミングが出てきます。

 

日本の歴史を語る上で誰もが知っている三大武将がいます。

この三人の性格をホトトギスの鳴かせ方に例えた有名な川柳があります。

 

織田信長 「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス

豊臣秀吉 「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス

徳川家康 「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス

 

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これは実生のタイプに置き換えることもでき、

 

信長は、発芽しないなら、諦めて捨ててしまえ。

秀吉は、発芽しないなら、発芽するように試行錯誤してみよう。

家康は、発芽しないなら、発芽するまで待ってみよう。

 

言わずもがな、実生に向いている人は秀吉と家康に思えます。

ぼくはどちらかと言うと信長寄りなんですよね

何か月も何年も発芽しない種子を抱えていられるだけの余裕はウチにはありません。

ですが、少しでも発芽率を上げるために前処理をすることもあります。

なので信長寄りの秀吉タイプなのかな?と思います。

 

そもそも実生をやる上で、

常に植物の置き場所に悩まされているような人、せっかちな性格の人には、発芽が遅い・発芽率が悪いと言われている品種の種を蒔くのはオススメしません。

 

忘れっぽい人、もしくは家康のように忍耐力のある人が向いていると思います。

ヤシなんて1年、2年は余裕で発芽しないらしいですからね。

発芽率が極端に低いと言われている品種もありますので、入手前にある程度調べてからチャレンジしたいものです。

 

実生自体はオススメです。

何より楽しいですし、植物の事もっと好きになります。

 

長くなりましたが、この辺で。ぴっから